皆さん、こんにちは!Taishiです。
以前、留学経験者の仕事選びの方法について紹介しました。自身の経験・能力を活かすには、どの業界やどの企業を選んだらい良いか等について書かせて貰っています。
ちなみにその記事は以下ですので、良ければ読んでみて下さい。
今回の記事では、前回の記事と同様に就職先を検討する際に参考になるであろう、「宇宙ビジネス」についての紹介記事です。昨今とても注目を浴びていて、これから市場規模の拡大が見込める事業です。
この航空・宇宙産業は留学経験者も活躍が出来る可能性が大いにある業界です。なぜかというと、宇宙ビジネスの一番のマーケットは2020年12月現在はアメリカとなっているからです。
また、アメリカ以外の海外でも盛んになってきている産業となっています。その為、日本国内の宇宙ビジネスを行なっている日本の会社に入社したとしても、市場は海外を見据える事もあり、海外でのやり取りで必要な英語の使用頻度は高いです。
この宇宙ビジネスの拡大が加速したのは最近です。昔はどうだったのか、今はどんな状況にあるかなど紹介していきます!
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「航空・宇宙産業」の昔と今について
宇宙というと人工衛星とか、スペースシャトルの様な有人宇宙船や衛星打ち上げ用のロケットを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。その認識は間違ってないです。
また、「NASAとかJaxaが大きく関わっている」と想像する人も多いのではないでしょうか。その認識についてもあっています。
昔は上記の様なビジネスがメインで、政府が主導して、宇宙事業を行なってきました。また、その中で大きな役割を担っていたのが、NASAやJAXAなのです。
そういった政府主導の時代で活躍してきた機関(JAXAとか)や企業達が行なってきた宇宙開発を「Old SPACE」と呼びます。関わってきた企業の一例を挙げると、NEC、三菱電機、三菱重工などは代表格です。この宇宙業界において、今も大きなプレゼンスを発揮している有名大手企業ですね。
今もNASAやJAXAは宇宙産業において大きな役割を果たしています。ただ、最近は「New SPACE」と呼ばれる新世代の事業者が参画し始めているのです。
New SPACEとは、政府主導でなく、民間で推し進めるベンチャー企業などの事を指します。この流れが最近顕著となっていて、大きな新しい流れを作り始めているのです。この事については後述します。
今までと過去の流れをおさらいするのには以下の本がオススメです。今回の記事で書いている内容をもっと詳しく、そして時系列に沿って説明されているので、読んでみて下さい。
宇宙ビジネスの最新状況
既に説明しましたが、最近ではNew SPACEの企業達が多く参画してきて、宇宙業界に変化が出て来ています。海外では特に顕著ですが、日本でも民間のベンチャー企業が続々と出てきています。以下が一例です。
海外のNew SPACE関連の企業 | ・SPACE X: テスラのイーロン・マスク氏が設立。 ロケット・宇宙船の開発・打ち上げ、宇宙輸送、 衛星からのデータ転送などを手掛ける企業。 ・ヴァージン・ギャラクティック: ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソンが設立。 宇宙旅行ビジネスを手掛ける企業。 ・ブルーオリジン: アマゾンのジェフ・ベゾスが設立。宇宙旅行、宇宙航空事業を手がける企業。 |
国内のNew SPACE関連の企業 | ・PDエアロスペース: 有人機、無人機の完全再使用型の宇宙機を開発 ・インターステラテクノロジーズ: 液体燃料ロケット開発を行う日本の会社。 ライブドア元社長の堀江貴文氏がスポンサーとなっている事でも有名。 ・アストロスケール: 宇宙デブリの除去サービスの開発を目指す日本企業。 ハーバードのビジネススクールのビジネスケースに取り上げられた事でも有名。 ・アクセルスペース: 超小型人工衛星の開発製造、 超小型衛星を利用したソリューションの提案を行う日本の企業。 ・ispace: 宇宙資源開発を目指す、日本発のベンチャー企業。 月の水資源を活用して宇宙インフラを構築し、 人類の生活圏を宇宙に広げていく事を目指している。 ・Space BD: 日本初の宇宙専門の商社。 技術調整から打上げ実現、運用支援まで、全面的に宇宙事業を行う企業を支援。 ・ALE: 「衛星から人工流れ星を作る」事を目指すエンターテイメントベンチャー企業。 ゴールドマンサックス日本支社にいた岡島礼奈氏が設立。 |
上記は一例で、まだまだ沢山あります。国内だけでも20社ぐらいはあるのではないでしょうか。そして、毎年宇宙関連ビジネスを行う新しい企業が生まれています。この流れは今後も続くと言われています。
今どれだけ発展する産業なのかについても紹介します。世界規模で市場を見れば、2017年には約38兆円だったのが、2030年代には約70兆円にまで達するとみられています。そして、2040年代には約140兆円程度になるという試算も。もの凄い勢いですね。
New Spaceの流れがこの宇宙業界の発展に寄与しているのは間違い無いです。ただ、民間企業達が急に宇宙業界に出てきた理由は何か。
色々と理由はあるかと思います。また見解も人によって異なるとは思います。自分が思う理由は以下の4つです。
- 技術革新が進んだ (ロケットなどの製造などが安価になり、また性能が向上)
- 宇宙事業が出来る様に法整備が進んできた
- 宇宙空間を利用したビジネスに広がりが出てきた
- 上記3つの条件が整い、実際に投資する人達が出てきた
特に3点目が大きい気がします。先ほど紹介した企業の会社説明でも記載した通り、本当に多くの企業が色んなビジネスを始めてきています。
これからも今まで異なった事業を行う新しい宇宙関連を事業とする企業が出てくるかもしれません。ますます目が離せないですね!
因みにNew Spaceに関する説明が上手く纏まっている本は以下がオススメです。自分も買いましたが、実際に宇宙ビジネスに関わるかどうかは別としても中々面白い内容が書いてあります。
宇宙産業のビジネス一覧
宇宙産業全体に関する昨今の流れを紹介しましたが、ここからは実際にどんなビジネスがあるのかをもう少し区分けして紹介します。大きく分けると以下の6つに分かれます。
①ロケット・衛星打ち上げ
②衛星で採取したデータの利用・分析
③宇宙旅行・ホテル
④宇宙エンターテイメント
⑤惑星探査・資源開発
⑥軌道上サービス(宇宙空間上の人工物向けに提供するサービス)
一番最初は分かりやすいですが、二番目の事業は本当に多岐に渡ります。最近では小型衛星で安定的に飛ばせる様になってきているので、多くの小型衛星を宇宙の軌道に乗せて、群れを作り、連携してサービスを提供する「衛星コンステレーション」というものも出てきています。
例えば、通信ビジネスなどを行うスカパーJSATの様に通信衛星事業を行う会社もあれば、衛星から地上の写真を撮影して観測・分析をする様なリモートセンシングを行う会社もあります。
「通信衛星コンステレーション事業」が今注目されている
あと、通信衛星コンステレーション事業というものもあります。この事業が今とても注目されています。通信衛星を協調させてデータ転送を行うのですが、Space Xやブルーオリジンもこの事業でサービス提供を予定しています。
低〜中軌道上に乗せるので、遅延発生が少なく、他の通信衛星のデータ転送方法と比較的早いのがメリット。また、全世界を対象にしてサービスを提供出来ます(地球の周囲に多くの衛星を飛ばしますからね)。
Space Xの「スターリンク計画」が有名ですが、この通信衛星コンステレーション事業が上手く機能すれば、アフリカや南米、アジアの発展途上国などインターネット接続が出来ず、インフラを整えるのに時間が掛かる地域にもインターネットのサービスが提供出来るようになります。
上記に該当する人の数は約35億人もいるとの事。利用料がいくらになるのかまでは現時点では分からないですが、もの凄い規模の市場を発掘出来ることになりそうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。スケールの大きな話ですが、夢のある話だと思います。そして、モノづくり大国である日本には、宇宙事業でも活躍出来る企業は多くあると個人的には思っています。
ロケットにしろ、小型衛星にしろ、惑星探査機にしろ、高度な技術が要求されると思うからです。なので、日本人としてこの宇宙事業に関心を持つ人が国内にもっと増えたら良いなとは思います。そして、業界に参画して、宇宙業界を牽引する人達がもっと出てきてくれたら尚嬉しいです。
そして、この流れを加速するイベントが最近ありました。それは2020年10月に決まったアルテミス合意です。この国際的な合意により、日本、アメリカを含めた多くの国が協力して、本格的に宇宙探査が開始する事になります。
因みに以下がアルテミス合意の内容です。
月や火星などの宇宙探査や宇宙利用に関する基本原則を定めた国際的な合意。2020年10月にアメリカやイギリス、日本など8か国の署名により合意された。1967年発効の宇宙条約を踏まえ、宇宙の平和利用やスペースデブリの削減、歴史的遺産の保護、国家間の干渉の防止を求めている
引用元: wikipedia「アルテミス合意」
まずは月の探査から始めることになります。そして、月面下にあると言われている氷がもし見つかれば、酸素と水素を作る事が出来るので、貴重な資源の確保に繋がります。将来は本格的に人類の宇宙移住出来るようになるかもしれないですね。
また、イーロン・マスクのSpace Xは火星への移住を目指し、日々開発を進めています。今後は、月・火星の「宇宙での住居・生活」に関するビジネスが出てくるかもしれないです!これからの宇宙ビジネスに要注目です。